虫歯で神経を取った歯が抱えるリスクとその対策
みなさんこんにちは。新宿WST歯科です。
虫歯が進行すると、歯の神経(歯髄)を取り除く治療、いわゆる「根管治療」が必要になることがあります。この処置を受けた歯は治療後もしっかりと機能しますが、神経を取った歯ならではのリスクが存在します。今回は、神経を取った歯が抱えるリスクと、それを予防するための対策について詳しく解説します。
神経を取った歯の特徴とリスク
- 1. 歯が脆くなる
- 神経を取った歯は、歯髄に含まれる栄養供給が絶たれるため、時間の経過とともに水分が減少し、硬く脆くなります。この状態では、硬い食べ物を噛むことで歯が欠けたり割れたりするリスクが高まります。特に奥歯は噛む力が強くかかるため、リスクがさらに増します。
- 2. 感染リスクが高まる
- 根管治療を行った歯は、細菌が再感染しないよう密閉されています。しかし、時間の経過とともに被せ物や詰め物が劣化し、隙間ができると再感染のリスクが高まります。この場合、再び治療が必要になる可能性があります。
- 3. 歯が変色する
- 神経を取った歯は、血液や栄養供給が途絶えるため、時間が経つにつれて変色することがあります。歯の色がグレーや黄褐色に変わり、見た目に影響を与える場合があります。
- 4. 痛みがない分、異常に気づきにくい
- 神経を取った歯は、痛みを感じる神経がないため、問題が進行しても自覚症状が出にくいです。例えば、感染が進んでいても気づかないことがあり、症状が悪化してから初めて気づくケースが少なくありません。
神経を取った歯のリスクを軽減するための対策
- 1. 歯を保護する処置を行う
- 根管治療を行った後は、歯が脆くなるため、詰め物や被せ物で歯を補強することが一般的です。特に奥歯は噛む力が強いため、被せ物を装着することで歯の破損リスクを大幅に軽減できます。
- 2. 定期的に歯科検診を受ける
- 神経を取った歯は、再感染や隙間の劣化がないかを定期的にチェックする必要があります。半年に1回程度の定期検診を受け、問題があれば早めに対処することで、歯を長持ちさせることができます。
- 3. 噛む力をコントロールする
- 歯ぎしりや食いしばりがあると、神経を取った歯に過度な力がかかり、破損のリスクが高まります。歯ぎしりがある場合は、ナイトガード(就寝時に装着するマウスピース)を使用することで、歯への負担を軽減できます。
- 4. 適切な日常ケアを行う
- 神経を取った歯も他の歯と同様に、虫歯や歯周病の予防が必要です。毎日の歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを活用し、歯と歯の隙間の清掃を行いましょう。また、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、歯の再石灰化を促進し、歯の表面を強化する効果が期待できます。
- 5. 変色への対応策を考える
- 神経を取った歯が変色した場合、見た目が気になることがあります。この場合、ホワイトニングや歯の表面に薄いセラミックを貼り付けるラミネートベニア、あるいはセラミッククラウンを用いた治療で見た目を改善することができます。気になる場合は歯科医に相談しましょう。
- 定期検診で早期発見・早期治療
- 定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
- 適切な清掃習慣の継続
- 日々の歯磨きやフロスで、歯と歯の間や詰め物・被せ物の境目を清潔に保ちましょう。
- 被せ物や詰め物の劣化に注意
- 被せ物や詰め物が外れたり隙間ができたりしている場合は、放置せず早めに受診してください。
神経を取った歯を長持ちさせるために重要なこと
神経を取った歯は天然の歯に比べて脆弱ではありますが、適切なケアと治療後の管理を徹底すれば、長期間健康な状態を保つことが可能です。以下のポイントを意識してケアを続けましょう。
まとめ
神経を取った歯は、適切にケアをしなければ再感染や破損などのリスクを抱えることがあります。しかし、日々のメンテナンスや定期検診、適切な治療を行うことで、長期間にわたり健康な状態を維持することが可能です。
根管治療を受けた歯は、あなたの口腔内でまだまだ重要な役割を果たしてくれる貴重な歯です。少しの違和感でも放置せず、早めに歯科医院を受診することが、歯の寿命を延ばす鍵となります。