インプラントメーカーとその特徴
「インプラント」とひとくちに言っても、素材の価格や、メーカーの歴史は大きく異なります。
今回はあまり気にされる事とのない、インプラントの素材についてお話しいたします。
1. ストローマン(Straumann)
新宿WST歯科では、インプラントの素材にストローマンの物を使用しています。
世界でも歴史が長く、最も症例数が多いメーカーです。
- 素材と技術革新:ストローマンは独自のチタンジルコニウム合金(Roxolid™)を採用しており、通常のチタンよりも高い強度と生体適合性を持っています。また、表面処理技術(SLActive™)により骨との結合が速く、安定性が向上します。
- 幅広い症例に対応:骨量が少ない患者にも対応可能な製品ラインナップを提供しています。
- 研究と信頼性:50年以上の臨床データを持ち、長期的な成功率が実証されています。
2. ノーベルバイオケア(Nobel Biocare)
- イノベーションの歴史:インプラントのパイオニアとして、チタンを使用したインプラントの実用化に成功しました。
- バリエーション豊富:All-on-4®などの全顎修復ソリューションや、即時荷重インプラントなどの選択肢があります。
- デジタル技術:CAD/CAM技術を活用したカスタムアバットメントや、正確な埋入を可能にするガイデッドサージェリー技術を提供しています。
3. デンツプライ・シロナ(Dentsply Sirona)
- 素材の多様性:主にチタン製のインプラントを提供しており、安定した生体適合性が特徴です。
- 臨床支援:システム全体の整合性を重視しており、スキャナーや3Dプリンターとの連携が可能です。
- 教育とサポート:歯科医師向けのトレーニングプログラムやセミナーが充実しています。
4. 京セラ(Kyocera)
- ジルコニア素材:メタルフリーで審美性が高く、金属アレルギーのリスクを回避できます。
- 国内製造:日本人患者の骨質やニーズに合わせた製品開発を行っています。
- 信頼性:国内外で臨床研究が行われており、高い評価を得ています。
5. アストラテック(Astra Tech)
- 骨結合技術:OsseoSpeed™という表面処理技術により、骨との結合が迅速かつ強固に行われます。
- ユニークなデザイン:マイクロスレッド™と呼ばれる細かいネジ山が骨へのストレスを軽減し、長期安定性を向上させます。
- エビデンス重視:多くの臨床研究データをもとに製品が設計されています。
6. バイコン(Bicon)
- ショートインプラント:骨量が少ない患者でも骨移植を必要とせず治療が可能です。
- 設計のシンプルさ:角度補正可能なアバットメントを提供し、審美的で機能的な修復が可能です。
- 長期的成功率:30年以上の歴史があり、高い患者満足度を維持しています。
まとめ
それぞれのインプラントメーカーは独自の強みと特徴を持っています。患者の骨の状態や治療方針、そして歯科医師の経験や技術に応じて最適なメーカーを選択することが、治療成功の鍵となります。最新技術や臨床データに基づいた選択を行うことで、患者にとって最良の結果を提供できるでしょう。